趣味

2008年5月25日 (日)

梅花

冬をうけいれ

春をうらなう

梅花はたしかに中国で

咲いていた

赤く白く

金魚の生き様のように

覚醒されカクランされ

転生を続ける霧のような一点

を匂わせる

女性自身

焼けて妬けてコガレル自壊

蹉跌の罠を張り巡らす

怨恨があたりまへに

炎上する 瞬間

きみを愛す

わたしの炎上

遡ることは遠く

夢みることは切ない

凍れる魔都で

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黄龍

孕む夜陰 乱れる恋慕

生みの痛みが激しく

千路に異形を飛散する時を

同じく 苦しく声にならない情愛を

ひたかくす非日常は

あられもなく突き刺さる

理は消へ筋は断ち

ただ円く水をたたえては

墜ちてゆく

繰り返しの永いこと

つましいこと

阿吽の旋律を外し

龍の尻尾を掴む

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氷都

羽をひろげた白鳥の街

を流れる動脈 松花江が凍る

零下の自然をそのままに

伝承し続ける先は

アムールへ

境界に点在する摂理は

したたる靄のなかを見え隠れし膨らみ

地平線を形づくる

遮る言語は声帯を迷走し

凍てつくシルエットが

廻る廻る 輪舞の果てに

芽吹く想いをかすかに

口にふくむ

この場所邪気を忘れた

鬼門

龍塔は凍らない

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松花江

愁いをふくんだ流れから

じょじょにじょじょに

凍りはじめ涙のように

蒸気を溜め

隠しきれない身を露わに晒す

哀しみのマリオネット

そこかしこから挙がる

面妖な雅楽 神楽は花火

炎上する歴史の

逆しまな罠より早く凍土を恋う

水面の切なさを

いま汲みとることは

できないだろう

眼前の美しい水脈への

思い出せない

レクイエム

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ハルピン

これが地平線か

累々と顔料を茶で

のせていく

時間は迷走する

心象が追いやられると

同時に聴覚が

風を捉え

冬の雲がざわつき始める

いつか満州の遠い名残ではなく

東北の新しい起点の広がり

約束の地

反古とした半生を再び放棄しよう

きみの出自のシャンバラだから

この世で一番大きく

紅いタイ ロンは

沈まない

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上海の月

血球を透かす静脈に似た

月が降る

幾重にも帳 垂れ下がる

色彩の虚ろい

水のある処

流れのある処

低くたちこめる血の匂い

しぶく水面へ静かに

溶け込んでいく日常とは

いいようがない排泄を

照らす月の力

帳は水の流れ

たちこめる芳香と

鋭利な喧騒を

支配し続ける

上海の唇は紅く

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香港シャンガ

たゆむことなく

切り取られ

点と線が降り注ぐ

赤茶けた交錯

熱を噴出す空間と

はざまを疾駆する生業

透明と不透明が混濁している

飽くことないカオスは

林立する現世を笑い

ずれこむ関係性を手放す

可能性は未来へは続かず

ただそこで燃え

捻転があらわに

取り戻す所為

闇夜の線香花火

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2008年5月23日 (金)

五彩湖

織りなす純色甘く

ハレーション

球体を透かしていく

恥ずかしさを呈した

骨格が連綿と石灰を

点し滅し自然へ還す

時の刻みが音を聴いて

弾く 平坦な歴史

切り取られ退行していくばかりの

記憶の回廊に安らぎを

想う歩みは確実に

体温として

充ちてくる

痛み増す

パルスは次第に

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2008年5月22日 (木)

九塞溝

秘にして流れ

妃として陽炎の静寂

積年の瞬時から

切りとられた

春夏秋冬の形見が

去ることの意味の無さを

来ることの移ろいを

映して消して流れは

沙羅の時を刻みつづけ

そのままをそのままに

壊れゆく転生の

日々

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2008年5月21日 (水)

九龍

風が群青に墜ち

上空をゆらす

塔の日中はかげり

赤い雲が生まれる

より はやく形ある兆し

だけが包まれる指先

を数えはじめる怨

崩れそうなその妖しさ

の出処へふたたび

朽ち 果てるか

魔の塔

九龍

静寂をふり絞り

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すずかけの木の下で-紫禁ー

たゆとう光の予感に

赦されなく

満たしようもない

功罪の下

分かれの途は

苦く散りばめられ

甘く想いは昇りきる

安寧と裏腹に

あの樹はいきる

枝をつけ葉裏を反し

尚樹液を宿す

閉じられそれでも

残る空白 紫禁を

芽吹く

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