2009年8月30日 (日)
内ポケットに眠る
自慰を両手でそっと
故郷へ
季節の交配を
感じさせる微妙な
ためらいも
子守唄へ返そう
夏が来るまえに
去来の理由を聞かず
邂逅の意味さへ知らず
唇をひらけば
なに嬉しかろう
童子泣くよ
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2009年2月16日 (月)
笑ってくれ
地中海の青
泣いてくれ
海の向こうの使徒
悔やむことない史実
省みない結実
踏み惑い
押し返されることない
月下のアルジェ
闇は底なく果てなく
鈍色の薔薇一輪が
綻びを隠す
アルジェの落涙
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2009年2月13日 (金)
綾取られ原色
円生み水脈
隠しきれない表裏
呑みほす水位への紅梅
なだれ込むすべては
真如の底へ明るく
森閑とした雨垂れに
似る羅漢は
横滑りの時差と無の明るさ
ヴェネチア
回想の片ら
グラスへ堕胎を念じ
朽ち果てていく意識を
微熱へと化粧しはじめる
いざないアミ―レ
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2008年11月23日 (日)
似非私的人形が
泣いて笑って
繰り返して
何ほどの痕跡
傷跡を舐める
ざらつく舌を
したたる 意味を
取り戻そうと
する 肌合いは
今
冷めず 羅となる
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2008年11月 3日 (月)
桜が多い時
楓が多い時
似た景色になる
季節の移ろいだから
そう
花も自然も孤独を
嫌うんだろう
でも
離れたところで
一輪震えるように
佇む華が
切ない
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空が落ちてくる
気配にザワッと
樹木が花弁を揺らす
下から見上げる葉裏の
透けていく
様がここちいい
傍らを流れる川面が
過ぎ去った夢を
すべて運ぶ
いつもの鴨の
家族は今日
いない
またひとつ
花びらが
水脈へ落ちた
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